こんにちは、歯科医師田村です。
お久しぶりのブログ投稿です。
梅雨明けしてからずっと猛暑の日々ですね。
今朝ニュースを見ていたら、20代男性が自宅の庭で日向ぼっこしていたところ熱中症で死亡した、というのを見まして、室内仕事で良かったと思う今日この頃です・・・
とはいえ、職場内の空調は微妙なコントロールが効かないので、キンキンに冷えており、カーディガンを着て温度調整しているスタッフも多いです。
さて、熱中症だけに限らず、暑い夏にたくさん汗をかいて水分補給が十分でない場合、口の中の乾きも顕著となります。
口の中が乾くと、それまで大量に出ていたサラサラの唾液で薄められていた細菌や、細菌が産生する酸や毒素の濃度が濃くなってしまいます。唾液自体も体内の水分不足や暑さによるストレス・疲労が原因でネバネバしたものが、少量しか出なくなってしまいます。
唾液量が減少もしくは質がネバネバしてくることで、細菌は繁殖力が旺盛になり、産生する酸や毒素の量も多くなってしまうため、虫歯や歯周病がどんどん悪化します。また、飲み込みの機能が衰えた老人や寝たきりの人たちにおいては、唾液を含め飲料や食物を簡単に誤嚥してしまうため、多量の細菌を一緒に肺に送り込んでしまうのです。そうすると誤嚥性肺炎になってしまい、より身体が弱ってしまうのです。
また、歯周病の病原菌などは腫れた歯肉の血管へ入り込み、およそ70秒後には血流に乗って腕の血管まで到達している、という報告もあります。歯周病と心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などとの関連も段々と周知されてきていますが、その点についても気をつけなければなりません。
命を守るという面でも水分補給は大事ですが、歯科的に見ても脱水症状に陥ることで命にかかわることとなってしまいます。
どうぞ皆さん、お気をつけてこの夏を乗り切りましょう!