こんにちは
しばし飯田橋を離れ8月から戻って参りました、(再)新人の歯科医師 田村です。
(再)新人なので不慣れな点は・・・ないと思いますが、皆様どうぞまたよろしくお願い致します。
さて、(再)新人として初心に返り、本日のテーマは「歯垢と歯石」という歯科疾患の基本的なところについてお話しします。
歯科における代表的な疾患の一つとして、「むし歯」と「歯周病(歯槽膿漏/しそうのうろう)」が挙げられます。
これらの原因はお口の中の細菌である、ということは皆さんご存知かと思います。
むし歯を引き起こす細菌と歯周病を引き起こす細菌は、別の種類のものなのですが、これらは「歯垢」という歯の汚れの中に何億と存在し、肩を寄せ合って・・・いるかどうかはわかりませんが、多数の菌が共存し、歯の表面や入れ歯の表面などにへばりついて表面にバリアーを張っているのです。
自らが作ったバリアーに守られて、むし歯を引き起こす菌は歯の表面へ酸を放出し、歯周病を引き起こす菌は歯肉へ向けて歯肉を炎症させる物質を放出するのです。
このバリアーは守りが固く、うがい薬や消毒薬だけではとうてい壊せるものではありません。
ところが、このバリアーを壊さずして内部の細菌を再起不能にしてしまう現象がしばしば起こります。
それは「歯垢が唾液中のカルシウム成分を含んで歯石になる」ということです。
歯石になってしまった歯垢の中の細菌は、もはや生きてはいませんので、むし歯や歯周病を引き起こす物質を出す事はなくなります。
だからと言って歯石を放置してもいい事はありません。
歯石の表面はザラザラ・でこぼこしていて、歯肉を傷つけ腫れさせますし、でこぼこの表面に歯垢がどんどん溜まっていきます。
歯垢の段階であればご自身で歯ブラシで擦り落とす事が可能ですが、歯石になってしまうとご自身では落とせなくなってしまいます。
そうして知らないうちに歯周病が悪化していってしまうのです。
・・・怖いな〜 怖いな〜